2021年10月12日、Celonisは昨年に引き続きオンラインイベント「Celonis World Tour 2021 – Japan」を開催いたしました。約500名の方にご参加いただきました。ありがとうございます。
今年はイベントのサマリーを5回に分けてお届けいたします。
第ニ弾は、日本アイ・ビー・エム株式会社の西垣様にお聞きしたプロセスマイニングに対する取り組みと、IDC Japan飯坂氏よりの特別講演の内容となります。
なお、イベント当日の各講演については、こちらよりオンデマンド視聴いただけます。是非ご覧ください。
西垣 智裕(Tomohiro Nishigaki)様, 部長/アソシエイト・パートナー,IBMコンサルティング オートメーション, 日本アイ・ビー・エム株式会社
小林 裕亨(Hiro Kobyashi), 代表取締役社長, Celonis株式会社
本年4月1日にグローバルでIBM様とCelonisは戦略的パートナーシップを締結しています。この度は日本アイ・ビー・エム様でこのパートナーシップを推進されている西垣氏にCelonis小林がお話を伺いました。
―まずは自己紹介をお願いします。
西垣氏:日本アイ・ビー・エムでCelonisとオートメーションを担当しています。よろしくお願いします。
―4月から着実にパートナーシップを推進されていますが、現時点でのお客様の反応はいかがですか?
西垣氏:まず戦略的パートナーシップに対するIBMの考え方をお話しすると、IBMとしてはプロセスマイニングに対する可能性や、Celonisの先進的な機能やマネジメント層の真摯な取り組み、それらがお客様の課題解決に非常に役に立つと理解しており、IBMとしてもこのパートナーシップにグローバルで戦略的に投資をしています。お客様の反応は、プロセスマイニングに対する認知はまだこれからだと思っています。一方で、プロセスマイニングをご紹介したお客様からは非常に良い反応が得られていると感じています。そのポイントは以下の2であると考えます。
DXの成熟度はお客様により様々だが全ての方にとってDXを加速させるメリットがある
DXの先を見据えているお客様にとってはDXの取り組みを定着させ更にその先に進めるにはどうするか考える際にCelonisのソリューションは非常に役に立つ
―具体的な取り組みとしてはどのようなものがありますか?
西垣氏:お客様は今2つ課題を持っています。1つは顧客体験、顧客満足度を向上させるための取り組みが課題です。もう1つは生産性向上が課題だと思っています。
これらの背景として、顧客満足度の向上についてはデジタル化の時代の中でお客様接点のあり方が非常に変わってきている、その中で柔軟にスピード感を持ってお客様価値、お客様体験を向上させることが必要になってきています。また、生産性向上に関してある調査では2030年までには日本の労働者人口は今より10%減少すると言われており、この激しいボーダレスな競争環境におい、お客様は今以上の生産性を発揮して戦っていかねばいけません。
これらの課題に具体的にお客様がどう取り組んでいるかですが、まず顧客体験の向上についてはサプライチェーンの変革もお客様満足度向上の一つのキーとなってきます。現場で使っているシステムのログから、あるべきオペレーションとはどうすべきか、そこから逸脱した場合の指導やアクションはどうするか、それらの自動化にCelonisの活用を検討しているお客様がいます。さらにはIBMのAIなどをそこに組み込み予知することで問題の起きる前に行動を良い方向へ変えていくことも検討しています。
生産性向上については、標準化とデジタル化をセットにして生産性を上げていくことが大事であると考えており、グローバルスタンダードなERPを導入して、スタンダードに合わせていくことでベストプラクティスに近づけていく、その結果残った人手による作業をデジタル化していく、その過程において標準化する中でどこが例外的処理になっているのか、デジタル化できる領域はどこにあるのだろうか、あるいはERPを入れた後のオペレーションを効率化するにはどうしたら良いのか、このようなところにCelonisを活用して最適化していく、と言う様な取り組みをお客様はされています。
―IBM様から見た時のCelonisの具体的な効果、インパクトについてはどのように見ていますか?
西垣氏:IBMが提唱しているコンセプトとしてインテリジェント・ワークフローという考え方があります。デジタル化が進んでいる現代においてプロセスはスピード感をもって環境に合わせ柔軟にダイナミックに変えていかなければいけません。それにはデータやAIの活用が不可欠です。その際に何を変えなくてはいけないかを把握するのにCelonisのソリューションを活用して、常に何が問題になっているかを把握してアクションにつなげていく必要があると考えています。
お客様への価値訴求の観点からすると「DXを実施したら終わり」ではなく、その先の「エクセレントなオペレーション」にまでつながるようにお客様に価値提供していかねばならない、その意味でBPOや保守のサービス提供もしています。そういった中にもCelonisのソリューションを活用することによりお客様の課題を一時的に解決するのではなく、さらに発展的させていく効果があると考えています。
小林:それはCelonisを使うことで、お客様にとってはビジネスのやり方が変わるインパクトがあるが、同時にIBM様としてもお客様への価値の提供の仕方を良い方向にするインパクトを与えているということですね。
―IBM様とCelonisとのパートナーシップは今後どのように展開していくとお考えですか?
西垣氏:お互いの良いところを組み合わせて相乗効果が出なくてはいけないと考えています。一つにプラットフォーム化というのを考えています。Celonisの技術とIBMが持っているWatsonなどのAI やその他のテクノロジー、これらが組み合わさってプラットフォーム化することにより、お客様の社内のプラットフォームさらには業界横断的なプラットフォーム、そういうものに共通利用していただくことによってお客様のDXを加速させることが大事であると思っています。さらにCelonisで得られたデータを基にAIを活用しながらより先を見越した動きを取っていく、そういったところが考えられると思っており。お互いに上手く良い化学反応が出来ればと思っています。
―IBM様とCelonisとのパートナーシップによって日本の企業の皆様に向けて、新しい形のDXがどんどん進めていける可能性を今回のインタビューでお伝えできればよかったなと思います。ありがとうございました。
IBM様の最新のプロセスマイニングの情報については、こちらをご覧ください。https://www.ibm.com/jp-ja/services/business
飯坂 暢子(Nobuko Iisaka)様, ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャー, IDC Japan
IDC Japan飯坂氏より、DXからデジタルレジリエンシーと企業/組織の取り組みを進化させ、エンタープライズインテリジェンスを実現するにはどのように自動化を進めるべきなのか、日本と世界との比較から業務プロセス見直しの必要性、自動化取組状況と課題、そしてIDCよりの提言と、マクロな視点からお話がありました。
以下、飯坂氏のご講演の抜粋となります。
新型コロナ渦による景気後退から景気回復、ネクストノーマルへと向かう中、先行して回復する企業と追随する企業と2つに分かれるとIDCでは見ています。IDCでの調査結果によると、ビジネス上の優先事項や自動化実現ツールの導入状況を世界と国内の企業で比較すると違いがあり、国内企業はビジネスプロセス全体を見据えた対応でグローバルに遅れがあります。
リモートワーク化や取引先・顧客接点のオンライン化が進み、環境が日々変化する中、DX対応は当たり前となり、デジタルレジリエンシー即ち変化に迅速に対応し、それを機に成長する能力を身に着けねばなりません。エンタープライズインテリジェンスを確立することで個人や特定部門で保有していた知見を複数部門や取引先・顧客を巻き込んだ全体の集合知にする、そのためには大規模にデータを活用し継続的な学習を続けることでその成果を事業活動に反映させていくことが求められます。
最後にエンタープライズインテリジェンス実現に向けてIDCより以下の3点を提言します
業務プロセス自動化のゴールを設定:自動化を目的にするのではなく経営目標を定めトップから現場までのKPIを設定する
自動化ロードマップの設定:スモールスタートから始め全体へと拡大する。組織ビジョン/人材/プロセス/技術/データの観点で到達ポイントを設定する
最新技術を適材適所に活用:いくつもの技術を効果的に組み合わせる。プロセスマイニングもその中の一つであり、豊富なユースケース経験を持つベンダーやパートナーと取り組んでいくことが重要である
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