2021.06.25
トレンドやテクノロジーに関する話題が、「もしも・・・」という誇大広告の段階から成熟し、人々が実際に直面している課題に焦点を当て始めたら、それは何かを掴んだということです。
自動化も例外ではありません。Forrester社が指摘しているように、この1年で自動化は、Nice to have―実現できれば良いけど無くても構わないほとんど未着手なテーマから、取締役会で採否が議論される優先度の高い重要事項となっています。
これは、プロセスエクセレンスのリーダーが全社的かつ戦略的な方法で自動化を拡大するために行動を起こしている、そんな組織の数が増えているという、Celonisの最近の実体験と一致しています。
この記事では、お客様が自動化の旅で辿る様々な段階と、その過程で直面する大きな課題と、それに対処するためのアドバイスとをご紹介します。
課題について述べる前に、自動化の現在の進捗状況を把握することが重要です。その旅には大きく3つのフェーズがあります。
フェーズ1:スタートアップ
組織内の基本的なタスクや機能の自動化を始めようとしている、または始めたばかり
フェーズ2:エクセレンスを目指して
KPIを達成し、ROIを向上させるために、自動化をスタックさせるポイントにさらに技術を追加することを検討中
フェーズ3:見直しと改善
完全に自動化されており、インテリジェントなレポートとアクションを備えています。 そして、自動化の利用を最適化し、拡大する機会を常に模索中
フェーズ3が「自動化の理想郷」のように聞こえるなら、それは間違いではありません。ほとんどの企業はまだフェーズ1か2の段階です。これはなぜでしょうか?
あなたの旅が進むにつれ、自動化を成功裏に拡大させるのを阻む、さまざまな課題があります。
現在、企業が直面している5つの大きな自動化の課題と、それを克服するためのベストプラクティスをご紹介します。
Celonisはこのほど、500人以上のプロセスエクセレンスのシニアリーダーを対象に、プロセスエクセレンスの現在の状況について調査を行いました*。調査結果によると、プロセスエクセレンスリーダーの56.5%が自動化を最優先事項と考えており、これらのリーダーの40%が自動化の向上によって成功を評価しています。
しかし、オペレーショナルエクセレンスへの道は簡単なものではなく、導入を阻む障壁も存在します。上位の要因としては、チェンジマネジメントに関連するものが挙げられます。回答者の27%が「変化を持続させること」、26%が「変化への抵抗を克服すること」を大きな課題として挙げています。
アドバイス: デジタルトランスフォーメーションプロジェクトの初期段階では、経営陣の賛同を得ることが重要です。回答者の20%が、この点を今年の最重要課題として挙げています。また、同じ割合の回答者が、短期的な目標を達成することも課題としています。
シニアチャンピオンを獲得し、そのサポートを維持できれば、ここでの戦いは半分勝利したようなものです。シニアチャンピオンは、新しい取り組みを広め、プロセス改善をトップレベルのビジネス戦略(今回の調査で明らかになったもう一つの大きな課題)と整合させ、長期的な目標に焦点を当て続けるのに役立ちます。
技術展開は、プロセスエクセレンスリーダーが最も多くの時間(約10%)を費やしている活動であり、費用対効果の分析、技術評価、ベンダー管理を上回っています。
興味深いことに、時間を節約して生産性を向上させるためのテクノロジーこそが、最大の課題となっています。
これらの変更を行う前に、その効果を正確に把握することが重要です。データに基づいてプロセスをシミュレーションできる技術の使用を検討してください。これにより、自動化によってどれだけの価値が得られるのか、また、自動化によって引き起こされる潜在的な下流作業の問題やボトルネックがあるかどうか、明らかではないことを正確に知ることができます。そして、最初の自動化の導入を開始する前に、これらすべて、自信を持って知ることができます。
アドバイス: 導入前にwhat-ifシナリオのシミュレーションを行う場合は、必ずシステム上の実際のデータに基づいて客観的にシミュレーションを行うようにしてください。ストップウォッチを持って人を追いかけたり、長時間のインタビューを行ったり、ホワイトボード上でプロセスモデルを構築したりすることは、不正確な結果を得るだけで、そもそもシミュレーションの目的を達成することはできません。
「自動化」については、さまざまなタイプの技術を包括して使われることがあります。例えば、インテリジェントなワークフロー、コンテンツサービス、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)やローコードおよびノーコードのアプリケーションおよび統合プラットフォーム、Executtion Managemtn Systemなどがあり、インテリジェントな自動化を実現するプロセスマイニングのような自動化プロセスは言うまでもありません。
そのため、意外な落とし穴として、自動化に対して一律のアプローチを取ってしまうことが挙げられます。様々なタイプの自動化がある中で、適切なテクノロジーを適切なニーズにマッチさせる必要があるのです。
アドバイス: RPAに代表される従来の自動化ソリューションは、基本的なタスクを自動化するのに適しています。しかし、多くの場合、それだけでは十分ではありません。もし、より広範な、不完全なプロセスの一部であるタスクを自動化しているのであれば、非効率な作業をスピードを上げて自動化しているだけです。自動化しながら根本的なプロセスを修正することができれば、業務実行能力の向上につながります。
世界的なパンデミックの発生に伴い、大規模な製造業やサプライチェーン企業では自動化が進んでいます。しかし、在宅勤務(WFH:Work From Home)モデルを採用している他の業界ではどうでしょうか?
コラボレーションの実践だけでなく、ビジネスの中核となる活動への適応に苦労している企業の例は枚挙にいとまがありません。
アドバイス: リモートワークによってコアビジネスのプロセスが大きく影響を受ける場合は、コンテンツサービスに自動化を導入する機会を探し、従業員一人一人にとっての使いやすさを優先してください。
法律事務所はその典型的な例であり、日常業務では、文書の共有、レビュー、編集、そして署名を効率的に行う能力に大きく依存しています。DocuSignから情報を取得し、Slackに通知をプッシュする自動化されたワークフローは、余分な作業を増やすことなく、契約書や合意書の締結時に全員が情報を得て協力し合うことができる素晴らしい方法です。
自動化の取り組みを成功させるには、柔軟で拡張性のあるインフラが必要です。
同様に、統合と自動化は密接に関連しています。ある程度複雑なビジネスプロセスでは、複数のシステムを利用することが多いでしょう。つまり、インテリジェントなワークフローでは、システムをシームレスに接続する能力が不可欠なのです。
アドバイス: オンプレミスのインフラでは、自動化の展開や拡張性、使いやすさの面で制限があります。代わりに、オンプレミスのセットアップやメンテナンスに貴重な時間を割くことなく、すぐに作業に取り掛かれるクラウドソリューションを探してください。
さらに、統合を容易にしてくれる自動化ソリューションを探しましょう。アプリやAPIを接続する際には、コードではなくクリックで操作でき、統合やワークフローを可視化できるプラットフォームでなければなりません。
さて、これで終わりにしましょう。現実の世界で自動化に取り組んでいるプロセスエクセレンスのリーダーが直面している5つの大きな課題。そして、これらの課題を克服し、組織全体で自動化を成功させるために彼らが使用しているいくつかの戦術です。
しかし、自動化はプロセスエクセレンスのパズルのピースの1つに過ぎないことを忘れないでください。Celonis Execution Management Systemがプロセスエクセレンスの目標達成にどのように役立つのか、ぜひご覧ください。
*調査と人口統計情報 Celonis State of Business Execution Surveyは、2020年秋に外部の第三者機関が6カ国、8業種、4つの異なるビジネスラインの2,000人以上のビジネスリーダーを対象に調査し、まとめたものです。
2,000人の回答者のうち、503人がプロセスエクセレンスリーダーです。その内訳は以下の通りです。
PEXの回答者数: 503人
役職: バイスプレジデント/ディレクタークラス以上で、プロセスエクセレンス、オペレーショナルエクセレンス、継続改善、ビジネスエクセレンス、プロダクティビティプロセスエンジニアリング、プロセスリエンジニアリング、ビジネスリエンジニアリングに携わり、年間収益が10億米ドル(またはそれに相当する額)以上の企業に勤務している方。
対象国: アメリカ合衆国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン
業界: 金融サービス(銀行・保険)、消費財・小売、ハイテク、ライフサイエンス・製薬、化学、通信、ユーティリティー、製造など。